2016年10月1日平成28年度第6回東京思風塾開催しました。

年代別愛の子育て~感性論哲学教育論~

文化としての教育

なぜ教育が文化たらしめるのか?
もともと人間は文化を創る為に産まれてきた。
分化は自然に存在するものをもっと素晴らしいものにしていく。それを文化(カルチャー)という。

文化は人間が変えていくもの
人間性を鍛え成長させ人格を磨くプロセスが存在する。
文化はカルチャー、カルチャーの語源はラテン語のクルタス(耕す)という意味。耕すという文化は農業。農業の仕事というのは分化の根源であり、農業はアグリカルチャーともいう。アグリは土地、カルチャーは耕す、それで土地を耕すで農業となる。
農業こそ人間が創り出した文化

人間が人間的に生きる出発点である。

そういう面から見ても経済環境の根源に農業があるという点においてもっと生きる力の根源として農業(第1次産業)を見直す必要がある。

社会の体制、企業の体制が整わなければいけない

企業であれば父親にも育児休暇が与えられて
父親母親共に子供を育てるという環境を持つ事が必要。

それも難しい場合は会社の中において託児所など
職場環境を創るという事は経営者に課せられた大きなテーマでもある。

それが少子化対策や安心して子育てを行う環境整備につながっていく。

※昔を考えれば経済的な部分だけで子育てが難しいという訳ではない。これまでの歴史を考えると貧しい時代においてもたくさん子供はいた。単に経済的な問題で子育てが出来ないという事ではなく

 

 

年代別愛の子育て~感性論哲学教育論~「愛の子育て」5つのポイント

 

思風先生が提唱する

「愛の子育て」5つのポイント

~感性論哲学 年代別教育論~

1. 教が育を超えてはいけない

教育とは、「育」が主体で、「教」がその手段です。教えるという行為が、育てる、引っ張り出すという行為を阻害することになってはいけません。引っ張り出すために教えるのであり、能力を開発するために教えることが基本です。

その人間が持っている資質や素質を引っ張り出してあげるのです。子どもは、見たがり、聞きたがり、触りたがりで、知りたがり屋です。見たい、聞きたい、触りたい、知りたいという欲求を抑えてしまわないこと。現在の教育では、あまりにも教え込もうとするため、欲求が出てこない、何をしていいのかわからない、何がしたいのか解らない子どもが増えています。見たい、聞きたい、知りたいという欲求が自分から出てくるように育てる。自分の力で「やったぁ~」という感動と喜びを味あわせることです。

2.問う力を育てる

(欲望・欲求を引き出すために、理性を使う)
学校では、先生が問題を与えて、子どもが答える。子どもは、問題を与えられるのを待っているという待ちの姿勢です。問題は、子どもの心の中から出てこなければいけません。「問う」ということの中に、欲求や欲望が含まれています。

欲求や欲望が湧いてくる、問題意識が湧いてくることが大切なのです。子どもの中から問題意識が湧いてくる前に、親や先生が問題を与えてしまうと、子どもの自発的な能力が出てこない。人間的な理性を作るために、子どもの中から湧いてくる問題や興味・関心・欲求・欲望に対して、どうすればよいのかということを子ども自身に考えさせることが大切です。

自由奔放に遊ばせること。ゲームなどではなく遊びを考えさせる。その遊びの中から、自分で創意工夫をしていくことができるようになってきます。遊びの中でいろいろな問題にぶつかったとき、どうしたらいいのかと考え、独自のルールを考えたり、失敗しながら、創意工夫することが知恵を作るのです。教えなければいけないのは知識ではありません。意味や価値や素晴しさ、楽しさです。何かをやらせようとするとき、どこに面白さがあるのか、どこが素晴しいのか、その能力を持てばどんなことができるのかを感じさせてあげる。

興味・関心、意味や価値や素晴しさを感じたら、あとは放っておいても自分で求めはじめます。

問題や悩みを持つ前に、知識を持ってしまうと、既に与えられた知識によってしか対応できない人間になってしまいます。

3.自分がその頃どうであったかを思い出しながら教育する

常に自分自身がその年代、どうしてもらったのか、その時どう感じたかということを思い出しながら教育することが大切です。ほとんどの場合、父親や母親の立場から、子どものことを心配して、言ってはならないことを言い、してはならないことをしています。自分が10歳の頃どのようにしてもらったか、15歳の頃どうであったか、どのように接して欲しかったかということを思い出しながら子どもに接することが大切です。自分が親からされていやだったことなど、反面教師的なこともあるかもしれません。

4.いつも目に愛の光を

子どもは空なる気を吸って育ちます。空気とは、空なる気です。目に見えないのです。気とは感性です。空気を吸うとは、まさに目に見えない感性を吸って生きているのです。

教育において一番大事なものは、言葉ではありません。空間が与える意味や価値や値打ちです。目つき・表情・態度です。子どもに対するとき、お父さんやお母さんが自分に対して、どういう目つき・表情・態度で接してくれているかが、最大の意味や価値を持つのです。目は口以上にものを言います。目は口ほどにものを言う」と言われますが、実際は口以上にものを言っています。眉間にしわを寄せて、怖い目で「楽しいね」
と言っても楽しさは伝わりません。

言葉は理性。

目つき・表情・態度は、感性です。

感性は、ウソを言えません。

理性はウソが言えます。

雰囲気は目つき・表情・態度が作るのです。

空間は感性の海です。

理屈を超えた雰囲気を作るのは、目つき・表情・態度です。

感性だから伝わるのです。

いつも目に愛の光を持って接してください。

5.親の生きる姿勢を見せる

生きる姿勢とは、その人がどういう問題意識を持って生きているかということです。父親とは何か、母親とは何か、どうあるべきかという自分の存在に対する問いかけを常に意識しながら生きることです。立ち居振る舞い・生きざまが、非常に強い教育力・感化力を持っているのです。

この5つが「愛の子育て」
人材(人財)教育ではない、人物教育のポイントです。

ゲスト講師との対談(鎌倉投信 新井和宏様)

 

新井様が数多くのいい会社を法政大学の坂本先生と一緒に見て回る中でのエピソードを紹介頂きました。

 

いい会社を見る時のポイントは雰囲気

経営者が醸し出すものではなく社員さんの雰囲気。

 

 

思風先生から
これまでは資本主義経済が中心で資本が中心の世界だったが人間性を破壊する事になってはいけない。本来は人間性を成長させる為にあるのが経済であり経済活動を行う事で人間性が成長する。そうでなければ経済活動が幸せにさせることはない。その為に人格主義経済を目指したい。

 

 

思風先生の説く人格主義経済

理性から感性へ企業経営の変化

理性(支配、命令、管理)から感性(愛、対話、パートナーシップ)への変化が求められてきている。それは人間観が激変している時代背景があり、企業活動も変化を求められている。

※資本主義経済において、金の奴隷になってはいけない。経済そのものは人間の為にあるべきで「人間の為の経済」が本来あるべき姿である。

労働する事で人間性が成長する、生きる喜びを感じる事が出来る!それを「人格主義経済」という言葉で仰っていただきました。

心を原理にした経済活動(感性経営)を10項目にまとめて頂き

1、タテ型からヨコ型へ(理性から感性へ)

※ヨコ型経営とは上下がない、会社全体の中に支配ではなく心を持っておもいやる、命令から対話に変えていく、それは教育も一緒で親が支配するのではなく押し付けではいけない。)

2、心の通う経営

※企業といえども人間の集まりである。その人間の集まりである土台に心の絆をどう創るか?

心が欲しいと思っているところに対して、心をあげる事が大切であり、心をあげる事とは認めてあげる努力をする事!(この努力が大切)愛の実証は努力である!

3、問題を恐れない経営

問題は成長する為にある。問題が出ないのは堕落の道。問題は解決する事より聞いてあげる事も大切!よくないのは分ろうとしない事。問題がある事こそ人生に意味を作り出し、価値を見出す事が出来る。

4、変化を作り出す経営

変化は生きているという事であり、変化が無いのは死んでいるのと同じ。理想を掲げると未来に対して今何をすべきなのかが見えてくるが、理想の無い人間は今何をしていいか分らなく、理性で考えた理想は命を苦しめる。欲求なき理想は命を苦しめる。欲求と結びついた理想が現実を動かす!

5、仕事に死ねる愛の経営

命は常に死ねるというものと出会いを求めている命が最高に燃える時、最高に活かされる。今やっている仕事の価値、素晴らしさに感性を感じて欲しい。感性を感じないとつまらないものになる。

6、最高の満足を与え、最大の信頼を得る経営

7、不可能を可能にする経営

8、利益が出る仕組みを作り続ける経営

9、結果が出るまでやめない経営

10、仕事を通して人格を創る角熟経営

 

新井様の講演で行徳先生から

うんと儲けて使いなさい。儲ける事は悪くはない。
私は共産主義と戦い続けてきたが、それは貧しさありきを考えている人たちとの闘い。
貧しくなる為に、貧しい人間になりたい訳ではなく
豊かになる為に本来人間は働くべきであり
お金に対する後ろめたさは捨てるべき。
儲けたら世の中の為に是非使ってください。

 

 

最後に行徳先生から思風先生との出会いのきっかけや感性のすばらしさについて語って頂きました。